【楽譜や練習曲も掲載!】シェイクビートを習得して、リズムの幅を広げよう!

レッスン
  • 「好きな曲を演奏できるようになりたいけど、なんだか8ビートよりも演奏が複雑に聞こえる…」 
  • 「もっとグルーヴ感のあるカッコいいドラムが叩きたい!」

ドラムを始めて少し経つと、誰もが一度はこんな風に感じたことがあるのではないでしょうか。基本的なビートを叩けるようになったからこそ、次のステップに進みたい、表現の幅を広げたいという気持ちが芽生えるのは、あなたが真剣にドラムに向き合っている証拠です。

ドラム講師としてこれまでたくさんの生徒さんを見てきました。その中でも、初心者の生徒様が次のレベルへステップアップしていると感じることが出来るリズムパターンがあります。それが「シェイクビート」です。

この記事で解説すること
  • シェイクビートとは何か
  • シェイクビートを練習するメリット
  • シェイクビートの具体的な練習方法
  • シェイクビートを練習する上でポイント
  • シェイクビートを練習する上で役に立つ曲

この記事を最後まで読めば、あなたのドラムプレイは見違えるほど表情豊かになり、リズムの引き出しが格段に増えます。ドラムを叩くことが、今よりもっともっと楽しくなるはずです。

ぜひシェイクビートを自分のものにして、リズムの幅を広げましょう!

シェイクビートとは

シェイクビートとは、一言で言えば「8ビートに16分音符のスネアの音を加えたリズムパターン」です。

基本的な8ビートを叩くと、どこか骨太な印象があります。しかしシェイクビートを使い、16分音符を入れて装飾を施すことで、リズムに躍動感心地よい揺れを生み出します。この「揺れる(シェイクする)ようなグルーヴ」から「シェイクビート」と呼ばれています。

ちなみに、「シェイクビート」という言葉は和製英語に近く、海外では「シェイクビート」という決まった名称はありません。「ゴーストノートを入れた8ビート(Eighth-note groove with ghost notes)」のように、要素を説明する形で表現されることがほとんどです。

シェイクビートの譜面

まずは、最も基本的なシェイクビートの譜面を見てみましょう。

規則的な8ビートや16ビートの譜面と比べて、かなり複雑に見えるでしょう。ですが、安心してください。この記事を読み終える頃には確実にシェイクパターンを演奏するイメージが出来上がります。

シェイクビートを練習するメリット

シェイクビートは一見すると複雑に見えるので、習得することが難しそう!と思うことでしょう。確かに簡単に出来るものではありません。しかし、シェイクビートを演奏できるようになると、ドラム演奏にたくさんのメリットをもたらします。ここでは3つのメリットを紹介します。

幅広い楽曲に対応出来るようになる

シェイクビートは、ポップス、ロック、ファンク、R&Bなど、驚くほど多くのジャンルで使われています。シェイクビートをいくつか練習すると、あなたが演奏できる楽曲のレパートリーは飛躍的に増えます。新しいジャンルを叩けるようになるだけでなく、今まで練習していた曲も、良く聞くとシェイクビートが使われていたということもあるはずです。そのような発見があると、「8ビートとシェイクビートを組み合わせて1曲やってみる」という新しい練習も思いつき、今までよりも練習の幅も広がります。

16分音符への意識が高まり、正確なタイミングや安定感が身に付く

シェイクビートは8ビートに16分音符が絡まるという構造をしています。そのため、16分音符の位置を正確に叩くことが、シェイクビートを上達させる秘訣です。日々の練習の中で16分音符を入れる位置を意識することが、16分音符のノリや、正しい位置を掴むために必要です。

この16分音符を意識する感覚は、どんなリズムを叩く上でも非常に重要で、あなたのリズム感をより正確で安定したものへと進化させてくれます。例えば8ビートを叩くときでも、8分音符を意識するだけと、16分音符まで意識するとでは、感じられる音符の長さやタイミングの精度が段違いになります。

手足の独立性が増し、ドラムプレイ全体に好影響を与える

シェイクビートは、8ビートや16ビートと比べても複雑な動きをします。四肢の中でも特にスネアを叩く非利き手側が不規則な動きをするため、最初は多くの方が混乱することになります。しかし、一定の8分音符を刻む利き手と、複雑なパターンを叩く非利き手、さらにバスドラムも加わる複雑なリパターンであるシェイクビートが身につけば、手足がバラバラに動かせるという感覚を得られます。両手両足の独立性が身につき、それぞれコントロールすることができると、シェイクビート以外のフレーズやフィルインを叩く際にも好影響をもたらします。

シェイクビートの具体的な練習方法

ここでは、私がレッスンで常に教えている、最も効果的な練習法を2つ紹介します。

1拍ずつ練習する

まずは1拍ずつ、それぞれの拍でどのようなに叩いているのか把握しながら練習しましょう。それぞれの拍がどのようなリズムなのか理解することができたら、どんどんと拍を増やしていきましょう。1拍目と2拍目と繋ぐことが出来たら、1拍目から3拍目まで通してみる。1拍目から4拍目まで繋ぐことが出来たら、1小節のシェイクビートは完成です!

特にスネアドラムが16分音符の裏に入ってくる2拍目や3拍目でつまづく方がとても多いです。8分音符と16分音符の長さを良く確認しながら、ゆっくり丁寧に進めていきましょう。

スネアドラム、ハイハット、バスドラムと段階的に楽器を加えて練習する

1. スネアドラムだけを叩き、リズムを覚える

まずはスネアドラムだけでのリズムを覚えてしまいましょう。左手をどのタイミングで入れるのかに注意しながら、丁寧に行います。

休符移動の練習をしておくことで、手順が明確になります。なぜなら、シェイクビートを構成するリズムは、16分音符の休符移動と同じだからです。シェイクビートに使われている符尾と、休符移動に使われている符尾を見比べて、同じリズムのものを練習することで、リズムが掴みやすくなります。休符移動については以下の記事を参照してください。

Step 2: 右手をハイハットに移動させて、両手のコンビネーションを確立する

スネアドラムだけでリズムを把握できたら、右手をハイハットに移動させましょう。右手をハイハットに移動させるだけで、上半身の部分は完成します。

急に音が変わることで戸惑うかもしれませんが、リズムは同じです。今までやってきたリズムを思い出しながら、同じ手順で演奏しましょう。

Step 3: バスドラムを追加して、ビートを完成させる!

両手のパターンが固まったら、いよいよバスドラムを加えていきます。譜面を良く見て、対応する位置にバスドラムを叩くことが出来たら、シェイクビートは完成です!上半身だけで演奏するよりも難易度は上がりますが、8ビートなどを習得しているあなたなら、きっとすぐに演奏できるようになります。

実際に私が教えている中で、8ビートを習得していれば、このシェイクビートをすぐに演奏できるようになった生徒さんも多いです。

シェイクビートを練習する際のポイント

練習効果を最大限に高めるための、2つのポイントをお伝えします。

リズムを歌いながら練習する

シェイクビートを練習する時は、ただ譜面を見ながら叩くだけでなく、実際にどのような音を出すのか、そのイメージを歌いながら練習しましょう。例えば「ドンチッ・タンチタ・ドタチッ・タンチッ・…」というように、叩いているリズムを声に出して歌うことで、シェイクビートのイメージは格段に掴みやすくなります。

シェイクビートだけでなく、ドラム全般に言えることですが、リズムを歌えるようになれば、必ずドラムに反映できるようになります。騙されたと思ってやってみてください。歌いながら演奏するという効果を必ず実感できるはずです。

スネアドラムを叩く手の音量バランスに注意する

 シェイクビートではたくさんの音符を叩くことになります。特に非利き手でスネアを多く叩くため、全体的にボリューム感のある演奏に感じられます。しかし、音数が多いこともあって、8ビートでスネアドラムを叩くように、左手の音を全て強く叩いてしまっては、どこか騒がしい演奏に聞こえてきがちです。16分音符の裏を叩く際には、普段8ビートで叩いている音量よりも少し小さめにしましょう。16分音符の裏を小さめに叩くことで、実際の骨太なビート感は残しつつ、16分音符の装飾で華やかに聴かせられる、本物のシェイクビートに近づきます。

16分音符の裏の音量感は、曲によって調整ししょう。ガッツリと音を出して、攻撃的に攻めることもあれば、とても小さな音で繊細に表現することもあります。あなたが練習する曲を良く聴いて、どのくらいの音量感が合うのか考えて練習しましょう。

実際に曲に合わせてシェイクビートを叩いてみよう

最後は実際に曲と合わせて練習してみましょう。練習する曲はシェイクビートが使われている曲に越した事はありませんが、あなたの好きな曲で構いません。最初はテンポの遅い曲から始めることがおすすめです。曲に合わせて叩くことで、シェイクビートのもつ心地よい揺れ感を感じながら演奏しましょう。

シェイクビートを練習する上でのおすすめの曲
  • HAPPY BIRTHDAY / back number
  • Smells Like Teen Spirit / Nirvana 
  • Don‘t Look Back In Anger / OASIS

シェイクビートをを叩くことに慣れてきたら、4小節に1度、拍の頭にクラッシュシンバルを入れてみたり、4小節目の最後にフィルインを入れたりして、より実践的な練習をしましょう。ビートを叩くだけの練習よりも曲を演奏していると実感でき、楽しく練習できます。詳細は以下の記事を参照願います。

まとめ

今回は、あなたのドラムを次のレベルに引き上げるリズムパターンである、「シェイクビート」について、基本から習得するメリット、具体的な練習方法から練習曲まで解説しました。

シェイクビートは、決して簡単なリズムではありません。しかし、だからこそ、乗り越えた先には大きな成長と喜びが待っています。この記事で紹介したステップを信じて、一歩ずつ、着実に練習を続けてみてください。

昨日まで単調に聞こえていた自分のドラムが、ある日突然、グルーヴし始める瞬間が、あなたにも必ず訪れます。

今回の記事が、あなたのドラマーとしての可能性を広げる、最高のきっかけになることを心から願っています。

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