【脱・初心者へ】3連系のリズム、シャッフルビートを習得しよう!

レッスン
  • 「8ビートや16ビートには慣れてきたから、もっとリズムの幅を広げたい!」
  • 「もっとグルーヴィーでカッコいいリズムを叩けるようになれたらいいな。」

ドラムの練習に励むあなたなら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。基本的なビートが叩けるようになった今、次のステップへ進もうとする意欲は、あなたがドラムにのめり込んでいる証拠です。

もっとリズムの幅を広げるために、8ビートや16ビートとはひと味違うリズムパターンである「シャッフル」を今回は紹介します。

ドラム講師として多くの生徒様の上達をサポートしてきましたが、多くの方がこのシャッフルというリズムに一度はつまづきます。しかし、シャッフルが出来るようになることで、一段階レベルアップしたドラマーへと成長していく姿を、私は何度も目にしてきました。シャッフルに挑戦することは、ドラマーにとって大きな成長の機会となるのです。

この記事で解説すること
  • シャッフルの基礎知識
  • シャッフルを習得するメリット
  • シャッフルの具体的な練習方法
  • シャッフルを練習する時のポイント
  • シャッフルを練習する際におすすめの曲

この記事を読み終える頃には、あなたはシャッフルについて十分に理解し、演奏するイメージが出来上がっているはずです。

シャッフルを習得するのは確かに難しいですが、ぜひ一緒に取り組んでみましょう。

シャッフルとは

シャッフルとは、一言で言うと「3連符を基調としたハネたリズム」のことです。馬が軽やかに走る「パッカ、パッカ、パッカ…」という、弾むようなリズムをイメージしてみてください。この飛び跳ねるようなリズムがシャッフルです。8ビートや16ビートのような均等な感覚で演奏されるリズムに対し、シャッフル はこのどこか不均等な「跳ね感」が大きな特徴です。

なぜシャッフルは跳ねるようなリズムに聴こえるのか、その理由は、シャッフルは3連符の真ん中の音を抜いたリズムだからです。文字で表現すれば、「タタタ・タタタ…」→「タッタ・タッタ…」となり、1拍の中で音に長短ができます。

リズムがバウンドしているように聞こえることから、「バウンスビート」とも呼ばれることもあります。

シャッフルの歴史的な経緯

シャッフルのルーツは、アメリカの黒人音楽にあり、黒人が労働中に歌うワークソングなどから生まれたと言われます。その後、20世紀初頭にブルースの基本的なグルーヴとして定着し、そこからジャズ、カントリー、R&B、そしてロックンロールへと受け継がれていきました。 つまり、現代のポピュラー音楽の多くに、このシャッフルのDNAが息づいているのです。シャッフルを理解することは、音楽の歴史を体感することにも繋がります。

シャッフルと8ビートや16ビートとの違い

シャッフルは1拍の中でそれぞれの音に長短があることで、バウンドするような感覚があります。それに対して、8ビートや16分音符は、拍の中でそれぞれ均等な長さで配置されており、安定した感覚を得られます。バウンドするような感覚の有無が、8ビートなどのリズムとシャッフルとの違いとなります。

シャッフルの楽譜表記の方法

楽譜上では、シャッフルのリズムも通常の8分音符で書かれることがほとんどです。その代わり、譜面の冒頭に次のような記号が書かれています。

この記号は「この曲の8分音符は、全部シャッフルで演奏してください」という指示です。この指示を見たら、たとえ見た目は普通の8分音符でも、頭の中では「タッタ、タッタ」という3連符ベースのリズムに変換して演奏する必要があります。

なぜ譜面の最初に表記するのか

全て3連符の音符で譜面に書こうと思うと、楽譜に書く情報量が多くなり、読み辛くなるからです。3連符は音符の上に「3」という数字が記載されており、16分音符等と比べても情報が多いです。全編シャッフルのリズムの曲で、丁寧に3連符の表現を書いていたら、楽譜がとても読み辛くなります。譜面の最初に「この曲はシャッフルですよ」と表記することで楽譜が読みやすくなり、スムーズな読譜が可能となるのです。

シャッフルを習得するメリット

初めてシャッフルに挑戦する時は、「3連符を使うのも慣れてないし、シャッフルってなんだか難しそう…」と感じるかもしれません。確かに、8ビート等に慣れている人にとっては、シャッフルの持つバウンド感を掴むのは難しいかもしれません。しかし、粘り強く練習することで、必ず習得できます。シャッフルを習得できればたくさんのメリットがありますので、臆せずチャレンジしましょう。以下、シャッフルを習得することで手に入れられる3つのメリットを紹介します。

対応出来る楽曲の幅が広がる

シャッフルはあらゆるジャンルの音楽で使用されています。例えばブルースやジャズはもちろん、ロック、R&B、カントリー、そして現代のJ-POPに至るまで、シャッフルが使われている名曲は数えきれないほどです。シャッフルを叩けるようになるだけで、あなたが演奏できる曲のレパートリーは爆発的に増えること間違いなしです。

街中で行われているセッションは、ブルースやジャズ、往年のロックの曲が演奏されることが多く、シャッフルが主体のリズムがほとんどです。シャッフルを習得すれば、セッションに参加し、自分の実力を試す機会も増やせます。

3連のタイミングを感じることで、タイム感が強化される

3連符で構成されるシャッフルを練習することは、頭の中で常に3連符を感じ続けるための良い訓練になります。この感覚が身につけば、自然と8分音符や16分音符との区別がつくようになり、リズムに対する解像度が格段に向上するでしょう。8分音符、3連符、16分音符を使い分ける能力は、シャッフルだけでなく、8ビート等のシンプルなビートにおいても、より精緻なコントロールと安定した演奏に繋がります。

手足を自由に動かす能力の向上

ハイハットでシャッフルを刻みながら、スネアドラムを叩いたり、バスドラムを鳴らすことは、慣れないうちは頭が混乱するかもしれません。スネアドラムやバスドラムに意識が向きすぎると、ハイハットでのバウンド感が少なくなってしまうというのもよくある話です。しかし、継続して練習することで、だんだんとシャッフルのノリを維持しながら、手足を動かすことが出来るようになります。3連符を主体としたシャッフルで手足がバラバラに動く感覚が掴めるようになれば、他のビートを演奏した時にも効果を感じることが可能です。

シャッフルの具体的な練習方法

ここからは、具体的な練習ステップをご紹介します。慣れないうちはハイハットのバウンド感を出すことだけでも苦労すると思いますが、練習を重ねることで着実に効果を発揮します。粘り強く取り組んでください。

 ハイハットだけでシャッフルを刻む 

まずはシャッフルの感覚を掴みましょう。利き手でハイハットを「チッチ・チッチ…」と、3連符の真ん中を抜いて叩きます。

「チッチ、チッチ」と口ずさみながら、休符のタイミングをしっかり感じましょう。この休符をどれだけ感じられるかが、シャッフルを練習する上で1番のポイントになります。

 スネアドラムを追加する

ハイハットが安定してきたら、非利き手側でスネアドラムを加えてみましょう。利き手側のハイハットはシャッフルをキープしたまま、非利き手側で2拍目と4拍目にスネアドラムを叩きます。

スネアドラムを叩くことに気を取られて、ハイハットの休符を取る感覚が薄れる方が非常に多いです。しっかり休符が作る空間をキープしながら練習しましょう。どうしてもうまくいかない場合は、ゆっくりから練習をし始めることがおすすめです。

 バスドラムを追加する

 最後に、バスドラムを追加すれば、基本的なシャッフルビートの完成です!

まずは表拍にバスドラムを入れることに慣れましょう。安定して出来るようになったら、バスドラムを裏拍に入れるパターンにも挑戦してみてください。裏拍にバスドラムが入ることで、3連符の裏を強調したリズムのニュアンスが出てきます。裏拍にバスドラムが入ることで、よりシャッフルのノリを感じられるビートが出来上がります。

シャッフルを練習する際のポイント

シャッフルを身につけるための、3つの重要なコツをお伝えします。

ハネ感を意識して、8ビートとの違いを明確に

シャッフルを練習していると、ハイハットの刻みが無意識にストレートな8ビートに戻ってしまうことがよくあります。なぜストレートな8ビートの刻みに戻ってしまうかというと、3連符の真ん中の休符を上手く取ることが出来ていないからです。慣れないうちは難しいかもしれませんし、ストレートな8ビートの刻みに戻っていることもなかなか気付けないでしょう。練習する中で、常に「これはハネるリズムなんだ」と意識し、3連符のタメを体で感じながら演奏しましょう。

スマホのボイスメモなどで録音し、録音を聞き返して自分の音を確認することも、練習する上で非常に効果的です。ハイハットの刻みのニュアンスを確認しながら、繰り返し練習しましょう。

8ビートとシャッフルを交互に叩く練習も、2つの違いを体感する上で非常に効果的です。例えば4小節ごとに8ビートとシャッフルを交代させながら練習することで、2つのビートの違いを身体で覚えることが可能になります。

3連符の練習をしっかりやる

シャッフルは3連符で構成されたリズムです。基礎となる3連符のニュアンスを感じるためにも、シャッフルビートと並行して、3連符を用いた基礎練習をしっかり行いましょう。基礎的な3連符の練習を行うことで、シャッフルビートを練習する際にも3連符が感じやすくなります。おすすめの練習は以下を参照願います。

リズムを歌いながら練習する

譜面を見ながら身体のどこをどうやって動かすのかを確認しながら練習するだけでなく、実際にどのように音を出すのか、そのイメージを歌いながら練習してみましょう。例えば「ドッチ・タッチ・ドッチ・タッチ…」というように、叩いているリズムを声に出して歌うことで、シャッフルのイメージは格段に掴みやすくなります。

シェイクビートだけでなく、ドラム全般に言えることですが、リズムを歌えるようになれば、必ずドラムに反映できるようになります。「口で歌えないリズムは、体で演奏できない」というのは、多くのドラマーが口にする真実です。騙されたと思って、一度リズムを歌いながら練習してみましょう。必ずその効果を実感できます。 

実際に曲に合わせてやってみよう

シャッフルを演奏することに慣れてきたら、いよいよ曲と合わせて練習してみましょう!特にシャッフルのようなグルーヴ感が大切なビートは、音楽に合わせて演奏することが何よりも良いトレーニングになります。最初は思い通り叩けなくても構いません。シャッフルの持つノリをよく聞いて、試行錯誤しながら練習することで、だんだんとグルーヴ感が身についてきます。以下、シャッフルが使われているおすすめの練習曲を3つ紹介します。

シャッフルの練習におすすめの曲
  • Green Day / Minority 
  • Jimmy Reed / You Don’t Have to Go
  • Stevie Wonder / Isn’t She Lovely

シャッフルはハイハットの刻みが大事です。しかし、テンポの速い曲で1拍目から4拍目までの全ての拍でハイハットを刻もうと思うと、スピードに付いていけず、挫折するかもしれません。そんな時は、2拍目、4拍目だけハイハットを刻む形にしましょう。譜面は以下になります。

ジャズでよく使われるレガートと同じ手の動きになります。この形で練習することで、シャッフルが本来持つグルーヴ感を損なうことなく、シャッフルの曲を演奏することが可能です。

まとめ

今回は、3連符を基調としたリズムである「シャッフル」について、その概念から具体的な練習方法までを解説しました。

シャッフルは、ドラマーにとって一生付き合っていくことになるほど奥深いものですが、演奏していてとても楽しいリズムです。最初は3連符を叩くことも難しいでしょう。しかし、この記事で紹介したステップとコツを信じて一歩ずつ進んでいけば、必ずシャッフルは叩けるようになります。

シャッフルが演奏できるようになれば、セッションに赴くこともできます。セッションの場で誰かと一緒に演奏する機会が持てれば、今よりもっとドラムの世界を、音楽の世界を楽しめるようになるはずです。

さあ、スティックを持って、新しいリズムの世界へ飛び込んでいきましょう!あなたのドラムライフが、さらに豊かなものになることを心から願っています。

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